「なあ、チャーリー?」

「ん? 何や?」

「…ん…あのな?」

「うん?」

「…やっぱ、いい」

「へ?」

「何でもない。今のは気にしないでくれよな?」

「は? 何やねん、そら? 気になるに決まっとるやろ?」

「や、いいんだって」

「イヤ、アカン。男が一回口にした事は最後まで言わなアカンのやで?」

「何でだ?」

「んなもん男らしゅうないやろ? ホレ、言うてみいな?」

「…訊きたい事はあったんだけど」

「せやろ? 何や、何でも答えたるで?」

「でも、良く考えたらチャーリーに訊くのは、何か間違ってるような気がしてさ…」

「ハイ? …微妙に失礼な事言うてるの、ユーイわかってるか?」

「え? そうか?」

「ま、エエねんけどな…。で? 何で俺に訊いたらアカンの。俺じゃ答えられへん事か?」

「うーん…? そういう意味じゃないと思う…」

「何やの、はっきりせんなあ?」

「何て言うか、チャーリーには訊くだけ無駄って言うか、さ…」

「ひ、ひどっ?! ユーイ、そらないんちゃうか?!」

「そもそも、メルも俺なんかに相談する事自体がおかしいんだよなあ」

「へ? メルがユーイに相談て…何の事やねん?」

「言っていいのかな…?」

「かまへん、かまへん!! メルかてユーイが俺に話したらアカンて言うてへんのやろ?」

「え? ああ、まあ…そうだけど」

「ホレ、エエから言うてみ?」

「実は、な…」









****









『最近メル、元気ないぞ? 慣れない執務で疲れてんのか?』

『…ううん、違うんだよ、ユーイ。そうじゃないんだけど…』

『じゃあ、他に原因があるのか? 具合が悪いって言うか、明らかに寝不足でやつれてるだろ、オマエ?』

『や…、やっぱわかっちゃうのかなあ?』

『つか、そんなに目の下にクマ作ってれば、わからない方がおかしいだろ…。ホントは皆心配してんだぞ?』

『…ユーイに相談しようか、僕もずっと迷ってたんだけど…』

『な、何だ? 俺じゃ頼りないか? だったら…』

『ち、違うよ!! そうじゃなくて…』

『…? 何でそこで赤くなるんだよ、メル…』

『だ、だって…!!』

『言いにくい事なのか…?』

『う…ん。あ、あのね…?』

『うん?』









****








「…はあ?!」

「や、だからさ?」

「メルがエルンストに寝かせて貰えへん、って事かいな?!」

「そ、そうだってよ?」

「はあ〜…。意外やな、エルンストのヤツが…?」

「何かすごいらしいぞ…」

「ん〜、でもしゃあないやろな〜?」

「な、何で?!」

「何でて…アイツら、付きおうたばかりやろ? そらエルンストかて張り切るに決まっとるやないかい!!」

「は…張り切るって言ったって、限度があるだろ!!」

「まあ、もともとエルンストも絶倫、っちゅう事なんやろなあ」

「ぜっ…?! 絶倫って…!!」

「あんなお固くて真面目そうなツラしたっても、男やってんなあ?」

「…てか、チャーリーだって人の事言えないだろ?!」

「…俺はちゃうで?」

「何が?」

「俺は至って普通や!!」

「………」

「あ、何やの、その冷たい目ェは?!」

「…別に? 自覚が無いって幸せだよなあ、チャーリー?」

「ほんで? メルはそのエルンストの体力に着いて行けへん、って事やろ?」

「…軽くスルーしたな」

「ま、ソレは後でキッチリ話そな、ユーイ?」

「……まあ、そんなトコ。大体エルンストって研究ばっかやってたって言うし、一見体力なさそうに見えるだろ?」

「ん〜、まあな?」

「だけどよくよく本人に訊いてみたら、昔から研究が佳境に入れば徹夜なんかいつもの事でさ。睡眠時間が少なくても全然平気らしいんだよな」

「ほお〜?」

「1時間も熟睡すれば、エルンストは十分なんだって言ってたぞ」

「そらまた…メルも災難やなあ…」

「だろ?! …って言うかチャーリー、ホントにわかってんのか?」

「酷い言い草やな、ユーイ…。でも、まあメルが最近疲れた顔してるんも、みんなエルンストのせいやったっちゅう訳か」

「そ、そうなんだろ? だから俺にそれを何とか出来ないか相談…」

「ん〜? ほな何でユーイは俺に訊くだけ無駄や思うたんか?」

「はあ?! 何言ってんだ?! チャーリーだって殆ど変わんないだろ?!」

「何がやねんな?」

「とぼけるなよ!! チャーリーこそ毎晩毎晩…!!」

「せやけど、俺はちゃんとユーイを寝かせてやっとるやろ? 俺かて執務のある日ィはセーブしてるで?」

「やっ…、休みの前とかはほぼ一晩中じゃないかっ!!」

「そない言うたかて、ユーイもイヤやないんやろ? いつも最後の方はメロメロでエロくて…」

「ばっ…バカーーーっ!!!!」

「あいたっ?! ちょ、ちょお…い、痛いで、ユーイ!!」

「う、う、うるさい!! ちょっとは俺らの苦労も考えろ、このサル!!」

「サ、サルぅ?!」

「何だよ、違わないだろ?! 文句があるなら1ヶ月我慢してみろ!!」

「な、何やて〜?! アカン、アカンで、そら!!」

「チャーリーが言う事じゃないだろ!! 嫌がる相手に無理矢理したら、恋人でも強姦になるんだからな!!」

「ゴ、ゴーカンて…ユーイさん…」

「…酔わせた隙に、とか一服盛ったりとか考えても無駄だからな、チャーリー!!」

「…ギクっ?!」

「そんな事してみろ、チャーリーとはそれで別れるからな!!」

「ま、またまた…俺がそんな事する筈あらへんがな。…それより、もう少し何とかならへんの?」

「何が?」

「期間に決まっとるがな!! 大体一ヶ月なんて、俺に死ね言うてるようなもんやで?!」

「はあ? 大袈裟なんだよ、チャーリーは!!」

「大袈裟ちゃうで、ホンマの事やねんからな!!」

「な…、大体チャーリーこそ毎日俺と一緒に居るのに、何でいつもそんなに盛ってんだよ?!」

「そら〜…しゃあないやろ?」

「…開き直ったのか?」

「ちゃうちゃう、せやのうてな?」

「何だよ?」

「俺にとってこの世で一番可愛くて、愛しゅうて堪らん恋人が傍におんねんで?」

「なっ…?!」

「オマケに最近付き合う前とは格段に違う色気まで匂わせといてからな、他の男がユーイに要らんちょっかい出さんか俺は気が気でないんよ、ホンマ」

「い、色気って何だよ…」

「俺にしか目が行かへんようにて、これでも必死なんやで?」

「何だよ…それ」

「ちょっとキスしたっただけで、ユーイの目はウルウルしてもうて俺を誘うねんで? そんなん我慢せえっちゅう方が酷いんちゃうか?」

「さ、誘ってなんか…!!」

「イ〜ヤ、誘うてるで、間違いなくな!!」

「話がずれてるだろ、そんなの!! 誤魔化すなよ!!」

「あんな、ユーイ?」

「な、何だよ…?!」

「普段からユーイが俺に『したい』て誘う事、あらへんやろ?」

「…はあ?」

「いつも俺が襲うような形になっとるやん」

「…襲ってるって自覚はあるのか…」

「せやけどな? いくら待っとってもユーイが俺を誘う事はせえへんし、そうかてユーイも拒まんしでなあ…?」

「…しつこいって何度も言ってるじゃないか」

「…ホンマにイヤなんか?」

「…え?」

「ユーイは俺とエッチすんのがイヤなんか?」

「い…や、じゃないけど…」

「けど?」

「………」

「何かなあ、俺ばっかしたい言うて、ホンマはちょっとヘコんでんねん…」

「え…?」

「俺と一緒におっても、ユーイは俺に欲情せえへんのやろか、俺とのエッチはあんま気持ち良くないんやろか、とかな」

「そっ…!!」

「ん?」

「そうじゃ…ない、よ…」

「そうか? それにしちゃ…」

「だ、だって…!! チャーリーじゃなきゃ…あ、あ、あんな事っ…する訳ないだろっ!!」

「………」

「な、何だよ…。俺の事…疑ってんのか、チャーリー?!」

「ん〜…どないやろか? ユーイは言うてくれへんからなあ」

「………」

「ユーイ?」

「だ、だって…!!」

「わ…っ?! な、何でそこで泣くねんな?!」

「俺…は、恥ずかしいし…こんなに人を好きになるのなんて、初めてだから…良くわからないんだよ!!」

「ユーイ…」

「あ、あんなに毎晩するもんなのかって…皆に訊いてみたけど、『君達はヤり過ぎだよ』って言われたし」

「いっ?! だ、誰が言うたんか、そないなこと!!」

「それに俺、別に何が何でもみたいに、毎日ヤりたいわけでもないし…」

「…そうなんか? ほな何でそう言わんの? 俺、めっちゃユーイに負担掛けてんやんか」

「え? …チャーリーがしたいなら、断る理由無いだろ?」

「…は? 何や、めっさ矛盾してないか、ソレ?」

「な、何だよ!! 俺だってなあ、ヤりたい時位あるんだよ!!」

「へ?!」

「でもそういう時も俺が言う隙なんか無いし、既にチャーリーが襲ってるじゃないか!!」

「ああ…言われてみれば、そうかも知らんなあ?」

「そうかも、じゃなくてそうなんだっての!!」

「で?」

「だ、だから…。俺がしたい時に、チャーリーもしたいって思ってくれてるのが嬉しいし、きっとその反対も同じなんだろうなって…」

「んん〜? 何や、ややこしゅうなってきたな…」

「だ、だから…っ!!」

「ああ、心配せんでも平気や。ユーイが俺ん事イヤや無いって思てるんのも、ちゃんとわかってるで?」

「…へ?!」

「でもなあ? こうでもせんと、ユーイはいつまでも経っても自分の気持ちを言うてくれへんやろ? 確認のためには必要やってん」

「なっ…?!」

「そない言うたかてな? 俺がヘコんでんのもユーイの事を心配してるんも、ホンマやねんで? あまり本気にして貰えてないっちゅうのも、中々切ないねんけどなあ…」

「チャーリー…」

「たまにはユーイから誘うてくれるか?」

「え…っ?」

「エエやん、減るもんじゃあらへんし?」

「…き、気が向いたらな…」

「何や〜、つれないなあ?」

「チャーリーがあんまり盛らなくなったら、俺も考える」

「ええ〜?! も〜何やの、そんなんありえへんて!!」

「じゃあ、いつまで経ってもないぞ」

「あ…あんまりや…」

「な、なあ…それよりさ?」

「…ん?」

「きょ、今日も…するの…か?」

「ユーイ…今、何て?」

「だ、だから…」

「…ユーイは? どないやねんな?」

「う〜ん…したいような、したくないような…」

「何じゃ、そら!!」

「今週は何かと忙しかっただろ? だからゆっくりしたい気もあるんだ」

「まあ、そない言われてまうと、な〜…無理は出来ひんな」

「…何もしないで一緒に眠るだけじゃ、ダメ…か?」

「う…っ?! そ、そないウルウルした目ェで見たらアカン!!」

「え…?」

「も〜!! ユーイが悪いんやからな!! ほんなん我慢なんか出来っか!!」

「う…わあ…っ?!」

「なあ…誤解、せんといてな…?」

「へ?」

「辛い時は、ちゃんと俺にそう言うてんか?」

「チャーリー…?」

「俺はアホやから、ユーイの事になると突っ走ってまうねん」

「………」

「せやから、今もはよ言わんと、最後までしてまうで?」

「い…いい、よ…」

「ユーイ?」

「明日は休みだし…」

「ユーイ…ホンマ、可愛いなあ」

「あっ…ちょ、ちょっと!! …加減はしてくれよな?!」

「わかってるて…。なあ、愛してるで、ユーイ」

「ん…、俺も…」





























拍手ありがとうございましたm(_ _)m

何気にダラダラとめっさ長くなってしまいましたが、ここまで書ききれて豆田は本望です(笑)。

因みにユーイに『君達はヤり過ぎだよ』と言ったのは、勿論セイランです(笑)。

でもアンタ達も人の事は言えないと思うんだけどね〜♪

エルンストもランディもチャーリーも、皆ヤりたがりで大変ですねえ(殴打)

この話に出て来るエルメルは、前回拍手に登場したカプでありまして、直接の遣り取りは出せませんでしたがまた書けたらいいなあと思っております。

ではでは、ありがとうございました☆



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あんじのあんじぇに帰る!!