「ふう…風が気持ちいいねぇ。今位の季節って、暑すぎず寒過ぎずでちょうどいいね? また今夜は雲一つなくて星も良く見えるし」 ここはルヴァの私邸である。 オリヴィエとルヴァは恋人という関係にあり、貴重な二人きりの時間を満喫していた。 少々アルコールを嗜んでいた為、涼を求めてベランダにソファーを移動してお喋りしているのだ。 「そうですねー。過ごしやすくて気持ちいいですよねー。でも私は冬も好きなんですよ」 「そうなんだ? 私はあまり好きじゃないな。それよりどうして好きなの?」 「だって、好きな人とよりくっついていられるじゃないですか。夏だとそうも言ってられないですしねー」 「…へーえ。ルヴァでもそういう事思ったりするんだねぇ…」 オリヴィエはルヴァと付き合うようになってから、随分と彼の知らない事が多かった事に驚いていた。 決して短くない筈の守護聖としての付き合いだったにも関わらず、それは彼が見せるホンの一面だったに過ぎなかったのだ。 そして、二人が付き合うようになったきっかけも、ルヴァからの告白によるものだった。 当時オリヴィエは気の合う茶飲み友達程度の認識しかしていなかったのに、 ルヴァを意識してからの改めて気付く意外な面に惹かれていくのに時間は掛からなかった。 それにルヴァが自分の事をよく気遣い、大切にしてくれていることにも感謝している。 ルヴァはしっかりしてるようでかなりの天然だが、殊にオリヴィエに関してだけは、どうやら違うらしい。 ちゃんとオリヴィエの事を理解していて、オリヴィエの望む愛を与えてくれる。 これじゃオスカーなんて足元にも及ばないねぇ…? 実はルヴァと付き合う以前にオリヴィエはオスカーの恋人だった。 彼は何というか…。 炎の守護聖らしく、正に熱い男であった。 最初のうちはそれでも良かったのだが、だんだん重荷になってくるのも現実で。 彼なりに愛してくれているのは理解できるのだが、オリヴィエにとっては苦痛でしかない。 恋人と言えど、ある程度の距離は保っていたいし、自分の世界もある。 オスカーはオリヴィエにベタ惚れな為が故に、間違えてしまったのである。 オリヴィエの性格を十分にわかっていた筈なのに、束縛したのだ。 精神的にも、肉体的にも。 ま、過ぎた事を考えてもねぇ。 私もオスカーも、思ったより大人じゃなかったってコトかな…? ***** 「………エ……、…オリヴィエ?」 ルヴァの声にはっと我に返る。 「どうかしましたか?オリヴィエ」 少し心配そうに覗き込むルヴァ。 「ううん、大丈夫。何でもないの。……ちょっとね、昔のコトを思い出してたの」 「そうですか…」 ルヴァの顔に不安の色が残る。 「やだ、ルヴァ、そんなカオしないでよ。本当に何でもないの。 ただね、私はルヴァとこうなれて良かったなって、しみじみ思ってただけなんだから」 「っ…オリヴィエ?!」 ボッ、とルヴァの顔が赤くなる。 「ふふっ。ルヴァって不思議だよね? ただの天然かと思ってたのにすごく男っぽいところあるし、顔に似合わずすごいエロイし。 かと思えばこうやってすぐ赤くなったりしちゃうし。いつも一緒にいるのに、いつも違うルヴァが見られるんだよね」 何気にさらりと毒を吐くオリヴィエ。 天然? 私は天然なんですかねー。 自分ではそこまでヒドくはないつもりなんですけどねー…。 大概、天然と称される人間がそれを自覚できる訳がない。 「オリヴィエ、あなたもわかっているんでしょう? 私がこんな顔を見せるのはあなただけだという事を…」 「当たり前でしょ、ちゃんとわかってるよ。愛されてるからね、私は」 「ええ、そうですよ。こんなに愛しい人を大事にしないなんて、私にはとてもできませんからね」 柔らかく微笑みながら囁かれた言葉に、きっとオスカーがくしゃみでもしているだろうと、 オリヴィエはその光景を思い浮かべてくすりと笑った。 ルヴァの顔がオリヴィエにゆっくりと近付く。 目を閉じ、それを待つオリヴィエ。 そっとオリヴィエの首の後ろにルヴァの左手が添えられ、右手で腰を抱き寄せる。 「…んっ…」 深く口付けられ、思わず鼻から甘い声が抜けてしまう。 ルヴァの唇は、普段のそれと同じモノとは思えない程熱く、情熱的で。 うっかりすれば全て貧られてしまいそうになる。 舌を絡め合い、飲み込めなかった唾液が口の端から流れてゆく。 ようやく口唇を離し、ルヴァは流れていった道を舌で辿る。 「…んっ、あっ、や…やだっ…。ねぇ、ルヴァ、ここじゃ…イヤだよ…」 涙目になり、頬も上気して目の縁にも朱を帯びたオリヴィエのその煽情的な顔は、 寸での所で保っていたルヴァの理性を焼き切るには充分過ぎるモノであった。 そっ…そんなに…煽るような瞳で言われるとですねー…。 「…誰も見ていませんし、私も…我慢出来そうにないですから…」 耳元で囁かれ、その手はするりとオリヴィエの服を脱がせ、肌を露にするといきなり耳朶を食まれる。 「…あっ?!」 ピクンとオリヴィエの背中が跳ねる。 反らされた胸に手を這わせ、その小さく尖った突起を指で摘みあげる。 「あぁっ、んっ…やっ、ちょっ…ルヴァ…。…見られてる…」 「えっ…?」 驚いてルヴァはオリヴィエの躯を離し、辺りを見遣る。 しかし、良く考えてみればココはルヴァの私室のベランダなのだ。 他に誰かがいる訳がない。 「誰もいませんよ…? オリヴィエ」 「星が…」 「星?」 ふと頭上の窓を見上げると、先程よりすっかり夜も更け、満天の星空が見える。 「ああ…、綺麗ですねぇ…」 「…星に見られているみたいで、何だか落ち着かないよ…」 オリヴィエは恥ずかしそうにルヴァの服をきゅっと掴んだ。 その可愛らしい仕草に、ルヴァは嬉しそうに頬を緩める。 「わかりました。それでは、寝室に行きましょうか」 そう言うと、ルヴァはオリヴィエの背中と膝裏に手を回し、所謂姫抱きをして寝室へと向かう。 細身だとはいっても、ルヴァよりも身長の高いオリヴィエを易々と運んでしまうこの行為にいつも感心してしまう。 「…ねぇ、ルヴァってさ、結構力あるよね。すごく意外だったよ」 「そうですかー? 一応私も男ですからねー。好きな人の前ではいいところも見せたいですし。そうそう、知ってましたか?  紙って実は結構重いんですよ。本に囲まれて暮らしていますからね、知らずのうちに力も付いたんでしょうねー」 「ああ…。ふふっ、すごく納得がいったよ。無意識な筋トレって事だね」 「ええ、しかも毎日ですよ」 二人でクスクスと笑いながら寝室に着くと、オリヴィエをベッドへ静かに横たえる。 「…そっか。そうだよね。実際、ルヴァって着痩せするし、ほら。胸も思ったよりも凄く厚いし…」 オリヴィエのすぐ横に腰掛けているルヴァの胸を服の上からなぞってゆく。 覆い被さるようにしてオリヴィエの顔中にキスの雨を降らすルヴァの服を慣れた手付きで剥がしてゆく。 もう既にルヴァの手により半裸状態のオリヴィエの白い肌に紅い華を散らして。 愛しすぎてどうにかなりそうな位、この人に溺れている。 それを紛らわすかの様に、いくつもの印をつける。自分のものだと言わんばかりに。 「ル…ルヴァっ、あっ…んっ。そ…んなに…付けた…らっ、服で…も、隠せ…っない…んっ、よ…」 「ふふ。そうですね。でも、あなたの白い肌によく映えて…。とてもキレイですよ?」 「…あっ…もう」 また楽しんでるし…。 こんなボーっとした顔して実はルヴァって結構ヤキモチ妬きだし…。 だが、オリヴィエはルヴァのそんなところも愛しいと感じているのだ。 私しか知らない事だしね…? 「…オリヴィエ? まだ随分と余裕があるみたいですねー…?」 妖しく微笑むルヴァがオリヴィエの内腿をすっと撫でる。 同時に胸の突起にも舌を這わせ、下から舐め上げ時折強く吸いつく。 反対側は指の腹で優しくこね回し、爪先で引っ掻く様に弾く。 「やっ…あっ」 その刺激に堪らなさそうに声を漏らす様に、ルヴァは更に煽られる。 オリヴィエ自身からはもう既に先走りの蜜がとめどなく溢れだし、自然に後ろの蕾をも潤していた。 「すごい事になっていますねー…オリヴィエのココ…」 早く触れて欲しくて、自然と脚が開き、腰が揺れてしまう。 吐息がかかる位顔を近づけ、オリヴィエ自身に囁く。 「どうして欲しいですか? オリヴィエ…」 その吐息がかかる感覚にオリヴィエはビクっと震えた。 瞳を潤ませながら頭をもたげてルヴァの方を見遣り、切なそうに唇を動かす。 「はっ…あ、も…もう…ダメ…っ。舐め…て…?」 愛しい恋人の色っぽいおねだりに、ルヴァの中の獣が頭をもたげる。 オリヴィエのそれを先端だけ口に含み、舌でくびれの所を刺激し、茎の裏の筋を確かめる様に指でなぞってゆく。 待ち侘びていたそこへの急激に与えられる快感に、オリヴィエは涙をこぼしながら堪えている。 「あぁっ、んっ…くっ…っはぁ…」 後ろの蕾が疼きだし、堪らなくなって勝手に腰が動いてしまう。 更なる快感を求め、オリヴィエは自ら蕾に手を伸ばし、解しはじめた。 それに気付いたルヴァは一瞬我を忘れ、恋人の痴態に見入ってしまった。 「…やっ…あっ、あぁっ…もうったまんなっ…いっ…」 いやらしい水音をたてながら指を増やし、感じる所を懸命に擦り上げる。 「それは私のセリフですよ…? オリヴィエ…」 そっと蕾の中に収まっている手を掴み、引き抜かせる。 ぐちゅっ…と音をたて、抜ける感覚にさえオリヴィエは反応する。 「ふっ…あ…んっ…、な…何…で…?」 涙でぐしゃぐしゃになってしまった顔に何度も優しくキスをする。 「我慢できないんですよ、私の方が…。あなたのそんなイヤらしい姿を見せつけられては…ね」 言うが早いか、ルヴァはオリヴィエの膝裏に手を入れ、肩に乗せる様に持ち上げた。 さっきからオリヴィエのとんでもなくエロい姿にルヴァ自身も本当に限界で、これ以上ない位に張り詰め、 先から透明な液を溢れさせていた。 早く、と急かさんばかりに新たな快感を期待し、ヒクついているオリヴィエのそこにあてがい、自身の蜜を塗りつける。 「…ふっ、ぅんっ…は…はやくっ…ルヴァ…?」 オリヴィエの腰をグッと掴み、一気に差し込んだ。 そこはいつもより熱く絡みつき、奥へ奥へとルヴァを誘い込む。 「っあぁっっ…くぅっ…」 貫かれた衝撃でオリヴィエは達してしまった。 脚が震え、胸が大きく上下している。 ルヴァもオリヴィエの締め付けに達しそうになるのを何とか堪え、奥深くまで進め内壁の感触を味わう。 「はぁっ…すごい…、熱いですねっ…オリヴィエのここ…。溶けそうで…も…う…、出たくない位…ですよ…?」 ゆっくりとルヴァは抽挿を始める。 その度に肉に絡み付き収縮する動きに意識が何度も飛びそうになる。 「んっ…ああっっ…、ルヴァっ…もっとっ…つ…強っっく…っ」 一度達したオリヴィエのそこは再び熱を持ち始め、とろとろと蜜を流している。 ルヴァの動きは次第に激しくなり、肌のぶつかり合う音といやらしい水音、そして二人の荒い吐息のみが寝室に響く。 ルヴァもそろそろ達きそうなのか、オリヴィエの感じるポイントばかり責めたててくる。 「あっ…んっ、あぁっソコっ…んっふ…やぁっ…も、もぅ…ダメぇっっ」 「オリヴィエ…私も…くっ…」 「ルヴァっ、ルヴァ…いっ…いっしょ…にっんっ…あっ、ああっ」 「……っくっ…」 二度目の絶頂にオリヴィエは吐精し、更に中のルヴァを締め付けた。 その刺激でルヴァはオリヴィエの中に欲を吐き出した。 *** 二人はまだ繋がったまま余韻を味わっていた。 オリヴィエがルヴァの首に手を回し、キスをする。 何度も角度を変え、離れるのが惜しいとばかりに唇を重ねる。 「…参ったな。こんなんじゃ私、保ちそうにないよ」 「…どういう意味ですか、オリヴィエ?」 「私は自覚していたよりもルヴァの事を愛していて、心も躰もルヴァばかり求めてしまっているってコトよ」 「オリヴィエ…。あの…。すごく嬉しいです。私も…その…同じなんですよ、あなたとね? ですから…」 繋がっていた部分で急にルヴァのモノが大きくなり、オリヴィエを圧迫した。 「ひゃっ…ちょっ、ル…ルヴァ?」 「いいですか、オリヴィエ? 私もまだあなたが欲しいんですが…」 悪戯っぽく微笑うルヴァにオリヴィエがキスで応える。 「ふふっ、当たり前でしょ? 私はルヴァだから欲しいんだって」 結局、お互いにメロメロな二人なのだ。 蜜月の如く甘い、二人の距離。 長い夜はまだまだ、終わりそうにない…。 ギャー!! こんなんでいいのか豆田?! ってカンジですが…。 初エロで一人、ニヤニヤしながら書いたのを覚えてます。 更にupする際にもニヤついてました…。 本当に他の方の小説が上手なのはどうしてなんですかね? 才能無いんでしょうな、豆田の。 次回はこの直後のお話という事で、エロはないっス。当分、エロ勉強の為自粛します 各cpの馴れ初めを書きたいので、それまでお付き合いして下さると嬉しいです。 ↑ 少し落ち着けよ、って感じですよね(苦笑)。 ホントにおかしな話を勢いのみで書いてるなあ、って感想ですね(汗)。 でもすごく書いていて楽しかったのを覚えていますし、なかなか初めてにしては見よう見まねですが、頑張ってるなあと(苦笑)。 それでもかなり修正しましたけどね…。 この二人は書いていて楽しいんです。 勿論他のカプも大好きなんですが、特に書き易いんですね。 あんな穏やかな地様を天然エロ絶倫キャラにしてしまって、反応はどうなのかなあと心配もしましたが(笑) 概ね好意的、という事で彼はずっとこのままでしょうね〜♪ 皆様のお心が広くて、ホントに豆田は救われておりますね(汗)。 06/11/24加筆修正。 ☆BACK☆☆小説部屋トップへ☆/☆トップページへ☆